株主総会と取締役会とは?株主総会と取締役会の違いと役割について詳しく解説!
企業を運営する上で必要不可欠な二つの主要な組織が存在します。それらは、株主総会と取締役会です。しかし、これら二つの組織の具体的な役割や違いについて十分に理解していない人も少なくありません。今回は、企業の運営に欠かせない株主総会や取締役会について、その違いや役割に焦点を当てて詳しく解説します。
目次
日本の会社法における株主総会と取締役会の規定
会社法は、日本における企業の経営や運営に関する基本的なルールを定める法律です。中でも、企業の意思決定における二つの重要な機関である「株主総会」と「取締役会」は以下のように規定されています。
- 株主総会:
- 定義: 株主総会は、株主が集まり、会社の重要な事項に関して議決を行う機関です。会社の基本的な方針や取締役の選任、経営成果への評価など、重大な事項が審議・決定されます。
- 主な根拠条文:
- 定時株主総会: 会計年度の終了後3ヶ月以内に開催しなければならないと規定しています(会社法第299条)。
- 株主総会の通知: 株主総会を開催する場合、会社は開催日の2週間前までに通知をしなければならない(会社法第297条)。
- 株主総会の決議: 出席した株主の多数決により、多くの事項が決議されます。特別な決議を必要とする事項も存在します(会社法第309条など)。
- 取締役会:
- 定義: 取締役会は、会社の日常的な経営に関する事項を議決する機関です。経営方針の確定や経営資源の配分、リスク管理など、具体的な経営活動に関わる多岐にわたる事項が取り上げられます。
- 主な根拠条文:
- 取締役の任期: 取締役の任期は、原則として2年以内とされています(会社法第361条)。
- 取締役会の決議: 出席した取締役の過半数の賛成で、多くの事項が決議されます(会社法第368条)。
- 取締役会の設置: 大きな会社では取締役会の設置が義務付けられていますが、中小企業などでは設置の義務がない場合もあります(会社法第326条)。
解説 取締役会について
株式会社において、経営における重要な決定を行う機関として取締役会が設けられています。取締役会の具体的な役割や重要性について詳しく説明します。
取締役会とは?
取締役会は、株式会社にとって中心的な意志決定機関です。法律に基づいて設けられるこの組織は、少なくとも3人以上の取締役によって成り立ちます。
この組織の役割は、あくまで日常業務の取り扱いではなく、企業全体の戦略や方向性の設定にあります。具体的な業績目標の定義、業務計画の立案、重要な人事移動の審議など、取締役会は企業の基盤を形成する重大な決定を行います。
取締役会の役割は終始、ステークホルダー、すなわち従業員、顧客、取引先、その他の関係者の利益を対象にしています。
取締役会の具体的な役割
取締役会は、ビジネス戦略の立案と展開、これら2つが主な役割となります。取締役会は、会社全体の視野を定義し、重大な決断を行うことで、長期にわたる成長戦略を成功に導きます。また、戦略が適切に実施されるよう、具体的な指示や規制を設けます。
さらに、企業のリスク管理も取締役会の大切な役割となります。取締役会は潜在的な危険性を特定し、その解決策を見つけ出します。ここでは、企業の財政状況の監視、法律の遵守、企業の倫理的な問題管理などが含まれます。また、ステークホルダーとの積極的な連携を通じて、企業価値を高める方向性を追い求めます。
取締役会の決議事項
取締役会は企業の活動路線を示す重要な場であり、その席で決定される各種決議が、事業の根幹を形成しています。これらの決議に対する取り組みは、経営戦略や財務計画、業務目標等、会社の未来へ大切な影響を与えるため、熟慮し討議を厚くして末に決定されます。
決議事項には、資産処分や大きな融資の申請などが含まれます。また、重要な部署の人事や解任も決議します。さらに、内部監査システムの調整や大部署の再編、社債募集に関する重要事項も議論されます。
業務執行の監視では、各取締役が直面する業務について報告し、問題が発生した際には解決策を検討します。これらは報告の必要が定められていて、最低でも四半期ごとに取締役会で報告しなくてはなりません。
さらに、利害対立取引や業務競争に関する了解を行うことがあります。また、制限付き株式の認可や譲渡についても決議します。そして株主総会の詳細や議題を定めることも求められます。
取締役会の開催頻度・場所
取締役会は問題の多さや重要性によって、取締役会は月1回から四半期ごとなど様々な頻度で行われます。頻繁に実施すると透明性と迅速な決断を促進できますが、それは準備と運営に時間と費用が必要です。
また、会議の場所の選択も大切です。多くの場合、本社の会議室で行われますが、リモートや外部の施設を利用することも可能です。開催場所によって会議のムードや議論の進行方向が変わるため、企業の目標やビジョンを適切に反映する場所を選ぶ必要があります。
どの開催頻度や場所が最適な選択かは、会社の規模、業界の特性、経営戦略等により異なるでしょう。これらの要素を適切に考慮し管理することで、効果的で成果指向の経営を達成できます。会社法363条2項によれば、最低でも3か月に1回以上開催しなければなりませんが、それを満たす限り、開催の頻度やタイミングは自由に設定可能です。開催場所についても特に制限はありません。リアルタイムのやりとりが可能であれば、テレビ会議を通じたリモート開催も選択肢の一つです。
株主総会について
取締役会が経営に関する重要な決定を行う一方で、全ての経営方針を決定するわけではなく、株主総会の決議が要求されるケースが多くあります。ここでは、株主総会の機能について詳しく解説します。
株主総会とは?
株主総会とは、企業の主要な決定を下す最高意思決定機関であり、一年に一度開かれる場です。その主な任務は、株主たちが結集して、年次業績や役員選任、配当などの企業の主要な政策について判断し、決意することです。
株主総会は、企業の運営陣が株主たちに対して事業の進行状況を公表し、同時に株主たちからの意見や問い合わせを受け入れる場となっています。このようにして、企業の成長計画や財務状況、さらにはESG投資やコーポレートガバナンスなどについても議論が行われます。
株式を所有している株主たちは、この株主総会によって、企業の未来を左右する大きな力を握っています。実際に会議に出席できない株主でも、委任状を通じて投票することが可能なため、それぞれの投票が企業運営に関わる重要な瞬間となり、投資の回収を最大化するための重要な機会と言えます。同時に、企業にとっては、株主からのフィードバックを活用して企業風土を改善し、経営を透明化する契機となります。最終的に、このような機会を通じて、企業と株主は共に成長を実現することができます。
株主総会の具体的な役割
株主総会の大きな役割として二つあります。一つ目は、経営陣に対する評価と管理権利の行使です。在任中の経営陣から経営状況や財報の報告を受け、その業績に対する評価を行います。そして、役員の人選や解任、給与額や業績連動報酬、新たな取締役の指名なども、株主の投票によって決定されます。
二つ目は、会社経営に影響を与える大きな方針転換や事業売買の決定権を持つことです。企業継続の是非や会社分割、合併などの重大な決定もこの場で投票によって行われます。
全ての過程を通して、株主は企業の経営に直接参加し、企業の持続成長と利益追求を推進する役割を果たします。したがって、株主総会は、会社の各種の大事な決定を下す場として、企業の将来の発展を大いに左右する役割を担っています。
株主総会の決議事項
株主総会における決議事項は、企業の最終的な意思決定を行う場であり、これらの決定が事業の方向性を大きく左右します。
決議内容は企業により異なりますが、共通として扱われるテーマは事業の報告、決算、役員の報酬の決定、役員の選出、有価証券報酬の決定、事業戦略や事業計画の設定などが挙げられます。法律により会社の存続や解消、法令の変更、増資や減資、合併、事業の譲渡など、企業の重要な変更に対する決議も株主総会で行われることが求められます。
これらの決議は株主の過半数による投票で決まります。そのため、多数の株式を保有する大株主の投票が事業方向性を揺さぶる可能性もあります。
株主総会の種類:定時株主総会と臨時株主総会
株主総会の種類には「定時株主総会」と「臨時株主総会」の2つが存在します。
「定時株主総会」は、その名の通り、事業年度の終了後に一定のタイミングで必ず開かれるべき株主総会(会社法296条1項)。ここでは、経営の成果鑑賞、新たな経営方針の決定、役員の任命といった、企業経営にかかわる基本的で重要な事項が話し合われ、決定されます。
一方、何か特殊な事態が生じたり、重要な決断が求められるときなどに開催されるのが「臨時株主総会」(会社法296条2項)です。この臨時の株主総会は、いつでも招集することが可能で、これによって大规模な事業買収、経営危機の対応、経営体制の大きな変更等が決議されます。
株主総会は、株主が企業経営に対し積極的に関与し、その社会的責任を果たす重要な機会となります。そのため、定時株主総会だけでなく、状況により臨時株主総会の開催も重要視されています。
株主総会の開催頻度・場所
株主総会は、通常年に一度実施され、これは法律で決められています。これは通常、会計年度終了後の三か月以内に行われ、株主に対し経営体制や財務結果の発表、取締役の任命等を行うための大切な会議です。また、重要な決定を必要とする際には臨時の株主総会も開かれます。
会場選びについては、大きな企業では多くの株主を収容できる会場やホールが選ばれますが、中小企業では社内の会議室を使うこともあります。開催地は事前に通告され、都市部が選ばれることが一般的です。最近では、オンラインで行う企業も増えています。
取締役会・株主総会の違い
取締役会と株主総会の違いについて、詳しくご紹介します。
取締役会と株主総会の違い:決議できる内容
取締役会とは、主に企業の経営に関連する具体的な事項を議論、定める機関です。これには、中長期の経営計画や特定の業務報告の評価、そして取締役の任命や解任といった具体的な決議が含まれます。それに対して、株主総会は組織全体の視点からの意思決定を行う場所です。
株主総会では、取締役の選出やリーダー層の選任、配当金の確定などの経営に対する広範な決定を行います。また、会社の立ち上げや解散、企業組織の大きな改編といった、根幹に関わる重大事項についても決議します。これらの決定は、株主が持つ議決権の比率をもとに投票が行われ、多数決により採択されます。
取締役会と株主総会の違い:決議要件
取締役会は日常的な経営に関する決定を行う会議であり、出席した取締役が半数以上いる場合に、その出席者の半数以上の同意によって、一般的な事項については決議を制定します。しかし、業績に大きな影響を及ぼすと考えられる重要な議題については、もっと高いレベルの同意を必要とする場合もあります。
それに対して、株主総会は会社全体の基本的な政策や大切な問題を決定する場として機能します。ここでの決議は、出席した株主の議決権が半数以上存在し、さらにその半数以上が賛成した場合に通常は設立されます。しかし、会社の存続に関わるような重大な議題については、株主の3分の2以上の賛成が求められます。
さらに、会社の非常に重要な問題に対処するためには特別決議が行われ、これには議決権を有する株主全体の半数以上が出席し、さらにその3分の2以上が賛成しなければなりません。非上場会社であれば、議決権の有無に関わらず総株主の半数以上およびその中の4分の3以上が賛成すれば、この決議は成立します。
取締役会と株主総会の違い:手続き
取締役会の招集については、原則として全ての取締役が行えるが、細部の規定は定款に依存します。招集通知は通常、会議の1週間前までに送付することとなっていますが、定款によっては異なる場合もあります。
一方、株主総会の招集は、基本的には取締役会の決定を経て代表取締役が行い、取締役会が存在しない組織においては、取締役全員が招集可能です。招集通知の期限は1週間前とされており、これを短縮することは許されていません。
取締役会と株主総会の違い:議事録
取締役会議事録は、その会議に参画した取締役たちの意志決定の過程を記録したものです。これは参加した取締役全員の了承を経て作成されます。そして、その作成した議事録には、出席者全員の署名が要求されます。この取締役会議事録を通じて、企業の経営方針や取締役たちの意向が反映され、またその決定事項は経営活動の一部として法的に認識されます。
一方で、株主総会議事録は全く違う役割を果たします。企業最高の決定権を持つ株主総会の詳細を綿密に記録し、出席した株主と役員の情報、議題となった決定事項、および議論の経過等全体を網羅的に記録します。これは、公平な経営活動の実施と、株主への透明性の確保に寄与します。
会社法などで定められている事項を確実に記録し、取締役会の議事録は10年間本社に保存し、一方株主総会議事録は本社で10年間、写しを支店で5年間保管することが必須となります。
株主総会と取締役会を開催するために準備すること
株主総会と取締役会を開催するために必要な準備をご紹介します。
株主総会の準備
株主総会を開催するのためには、明確なスケジューリングと情報の準備が重要です。
1つ目のステップは、総会の開催日程を設定することです。これは通常、事業年度の終わりを基準とし、その日から3ヶ月以内に開催されることが一般的です。
2つ目のステップは、会場の選定と会議内容の設定です。ここでは、年次業績報告書を含む全ての重要なドキュメントを作成しなければなりません。これらのドキュメントは、会社の財務状況、すなわち「健全性」を示し、将来の経営戦略を発表するための手段となります。
3つ目のステップは、招集通知の発行です。会社法299条に基づき、公開会社や書面投票・電子投票の会社は2週間前まで、全株式譲渡制度会社は1週間前までに、株主に招集通知を送る必要があります。ただし、全ての株主が通知を必要とするわけではないので、通知対象者を事前に把握しておくことが重要です。
また、株主総会の運営は通常、専門の事務局が行います。彼らは会場設定や必要な書類準備など、全てを受け持つため、彼らが効率的に運営できるよう事前のリハーサルが推奨されます。最後に、会議で必要となる議事録と決議通知書は事前に準備しなければなりません。
取締役会の準備
取締役会の事前準備は、企業運営の活動の重要な一部です。依存する手続きと注意すべき点について話し合います。
まず議題は全取締役が把握でき、問題を明瞭に把握できるようにしなければなりません。関連資料が必要になりますので、関連テーマの詳細情報とデータを整理して、各人が理解容易な形で提出するべきです。
次に、会議の開催日付を立案します。取締役一人ひとりが参加することができる日程を見つけることが不可欠です。その理由として、意思決定の透明性と公平性を確保することが挙げられます。また、司会者を選ぶことも重要です。その人の役割や責任を明らかにしなければなりません。
最終的に場所の設定を行います。静かで邪魔も少ない場所が好ましいですが、また必要なシステム(プロジェクター等)を使用することができることが欠かせません。取締役会の事前準備一連の流れは、企業が成功するための不可欠な要素であり、優れた意思決定を迅速に行うためには、適切な準備が求められます。これらの手順に従って行動すれば、効果的な取締役会を計画・実施できます。
会社法において取締役会の開催は少なくとも3か月に1回以上と定められています。そのため、3か月に1度程度開催するスケジュールをたてるべきです。
開催スケジュールが決まったら、メンバーに連絡するようにしましょう。基本的に通知は開催1週間前までに行いますが、口頭で伝えても問題ありません。
取締役会は特定の場所で開催する必要はありません。取締役が遠隔地に存在する場合、オンライン空間や文書でも決議が可能です。
株主総会と取締役会を開催する流れ
ここでは、株式総会と取締役会を開催する流れについてご説明します。
株主総会の流れ
一般的な株主総会の進行は、まず議長の就任から始まります。次に開会が宣言され、議事署名人が決定されます。その後、経営側からの監査報告の読み上げと事業内容の報告が行われます。これらの報告は会社の過去一年間の運営成績、財政状態、そして未来予想についての詳細な説明となります。
続いて議案が上程され、審議方法が確定されます。提出された議案に基づいて審議と採決が進み、肝心の意思決定がなされます。議案の提出は、会社側だけでなく株主側からも可能で、その議案に対する賛否を投票により示すことができます。
質疑応答の時間が設けられ、株主からの質問に対する回答がなされます。ここでは、会社の現状や将来について語られ、企業のビジョンを具体的に理解する機会が提供されます。
最終的に閉会が宣言され、配置の全てが終了します。投票の結果が株主に対して公表され、配当金があればその支払い手続きが行われます。
重要なポイントとして、株主総会では議事録の作成と保管が必要とされます。保管された株主総会議事録は、会社の性格を変える重大な登記事項の変更等の手続きに必要となります。
取締役会の流れ
最初のステップとしては、全ての取締役に会議の日程が伝えられ、事前に議事次第が配布されます。これは、具体的に取締役会で何を話し合うのかを示しています。続いて、取締役たちは、提案されたトピック、例えば財務状況やビジネスプランについての意見を出し合います。
その後、取締役は議論に基づき、重要な経営方針を定めたり、法的な承認を与えたりします。結論として、取締役会では議題毎に投票が行われ、多数決により最終的な決定が行われます。
取締役会での決定は企業の未来に大きな影響を及ぼす可能性があるため、透明性と責任感が欠かせません。従って、議事録という形で全ての決定内容が記録され、それらが適切に公表され、保管されることが、重要な手続きとなります。
取締役会の例としては、
– 定足数の確認
– 開会の宣言
– 議案の提案と審議、採決
– 報告事項の報告
– 次回日程の協議
といった流れが挙げられます。ネット会議や電話会議といった形での取締役会もあります。そして、議事録は会議に出席した取締役と監査役の署名又は捺印を得て作成され、本社で保存されます。
取締役会対応業務を行う際に注意すべきポイント
取締役会の対応業務にて、注意すべきポイントをお伝えします。
取締役会対応業務を行う際に注意すべきポイント:各取締役の立場の違いを意識
取締役会を円滑に進行させるためには、各取締役がそれぞれ保有する知識や経験、または担っている役割などの立場の違いを考慮することが必要不可欠です。取締役会は、重要な意思決定がなされる場であり、取締役たちはその決定の責任を担う商品です。
例えば、代表取締役は経営全般を統括し、そのうえで企業の方向性や戦略を明確に理解している一方、外部取締役は監督や規格順守といった観点から参画し、その立場上独立性や公平性、客観性を保っています。
このように、それぞれの代表取締役の立場の差異を理解し、それに基づいて円滑な通信を計ることが重要です。
取締役会対応業務を行う際に注意すべきポイント:ストレスなく議論が行われるようにサポート
ストレスがない議論を進めるためには、まず分かりやすい資料の作成と状況の共有が必要です。混乱や不一致はよく指摘の欠如や過多から生じます。それゆえ、事前に関連データや資料を整理し、取締役へ必要な情報を詳しく共有することで、議論をストレスフリーで進行することができます。
次に、議事のルールを作成します。討論の形式や順序、発言時間の制約などを明示的に設けることで、公平さを保ちながら効果的な議論を進めることが可能となります。
最後に、健康管理を忘れてはなりません。議論を一時休止する事を許可し、休息時間を設けるなど、心身の状態を考慮した対策が必要不可欠です。
これらのポイントを考慮して取締役会に対応することで、ストレスを軽減し、より有意義な結果を導くことができると期待されます。そのためにも、事前の説明や配慮を行い、取締役全員がストレスなく会議に参加できるよう配慮したバックオフィスのサポートが不可欠です。
株主総会対応業務を行う際に注意すべきポイント
株主総会の対応業務を行う際には、以下の2つの要点を重視する必要があります。
株主総会対応業務を行う際に注意すべきポイント:会社法上の手続きを順守
株主総会は、企業における重要な意思決定の場として、法律によりきちんとした手続きが定められています。その具体的な例をいくつか見てみましょう。
まず、招集通知の発送時期や通知方法、これらは会社法で詳細に定められており、法的な手順を正確に守って行う必要があります。また、通知には会議の日時や場所、議題、その他必要な情報を明瞭に記載することが求められます。これらが不明確だと、株主の意思決定権を損なう可能性があります。
次に、当日の議事進行。これは、議長による適切な管理が求められ、滞りなく行うことが重要です。そして、適正な議事録の作成も大切な業務となります。
議事録には、賛否の数を正確に記録し、その結果を公開することが求められます。これにより、株主への透明性が保たれ、企業の信頼性が維持されます。また、議決に際しては、会社法では一株一票ではなく、保有株数に基づく議決権が適応されるとされています。
株主総会対応の業務担当者は、以上に述べた様々な規定を理解し、守ることが必要です。特に、会社法に正確に準拠することが絶対条件となります。コーポレートガバナンスの観点からも、法律への遵守とその実践が求められます。これにより、不適切な行為を未然に防ぐことができます。
株主総会対応業務を行う際に注意すべきポイント:株主目線を意識
株主総会は企業と株主が直接対話する大切な機会で、その対応が企業の信頼性を左右します。
業務中に忘れてはならない重要性は、「株主の視点を前面に出す」ことです。具体的には、経営陣からの報告や株主からの質問への返答が求められます。このとき、専門用語に偏ることなく、一般の株主が理解しやすい表現を用いることが肝心です。そして何より、株主の立場を尊重し、その視点から情報を配信することが重要です。
また、配布する資料にも同様に株主目線が求められます。複雑な数値ばかりではなく、グラフや図表を用いて分かりやすく説明しましょう。資料の内容が株主の利益に対して真剣に取り組んでいることを伝えることで、株主からの信頼を得る道となります。
まとめ
結論として、株主総会と取締役会は、企業運営における重要な組織であり、互いに異なる役割を果たします。株主総会は企業の最終決定機関として、大方針を定め、取締役会はそれを具体的に実行する組織です。これらの違いと役割を理解することで、企業の健全な運営と成長を促進することが可能となります。
よくある質問
取締役会と株主総会の違いは何ですか?
取締役会は、企業の一般的な経営に関する決定を行いますが、一方で大きな決定については株主総会での承認を求める必要があります。そうした意味では、取締役会は日々の業務に集中し、企業の運営策定を進めます。
反対に、株主総会は年に1度開かれ、全ての株主が集まり重大な経営方針を設定します。彼らは取締役の選出や給与、そして大きな経営戦略など、会社の全般的な運営に関する決定をします。株主総会は、その柔軟さと公式な決定権を持っているため、取締役会のような日常的な管理上の任務とは対照的な機能を果たします。
取締役会と株主総会の順番は?
会社の経営において、”取締役会”と”株主総会”の会議がどのような順番で開催されるかは、議題によって異なります。一般的に、新しい事業年度が始まると「取締役会」が最初に開かれます。この集まりは取締役だけで構成され、経営に関わる重要な決断がなされます。
それに対して、「株主総会」は事業年度の終了時に行われることが一般的です。
したがって、通常の順序は事業年度の開始、取締役会の開催、経営方針の決定とその実行、事業年度の終了、そして最後に株主総会の開催となります。ただし、取締役会は年間を通して複数回開かれることが一般的なのに対して、株主総会は年に一度しか開催されません。
役員報酬 株主総会 取締役会 どっち?
一般的に、代表取締役の賃金は取締役会で設定されるのが通常の流れです。役員たち自身が自らの成果やリスクを評価し、報酬額を自主的に決めるからです。
その一方で、この取締役会が設定した役員報酬の総額枠は、株主総会で承認されます。なぜなら、役員報酬の調整により企業の利益配分や投資の回収率が変動するため、その判断は企業の所有者たる株主全体が行うべきとされているためです。
取締役選任の株主総会の決議は?
取締役の選任は株主総会における普通決議の一環として行われ、企業の成長を担う要職となります。この決議は、出席や投票権を持つ株主の半数以上による会議を必須とし、提出された議決案の適用はその当該株主の投票権の半数以上の賛成が必要です(会社法第341条)。その定足数は、最大でも全議決権の3分の1までしか引き下げられません(会社法第341条かっこ書)。
取締役は株主でなければならないのですか?
取締役の肩書きと株主であることは緊密に結びついてはいますが、法律上必ずしも必須条件とは言えないわけです。ただし、会社法第331条2項により、非公開企業では取締役が株主であることを定款上で規定することが可能です。