デジタル・ガバメントとは?意味や目的について詳しく解説
情報化社会を生き抜く私たちの身の回りには、スマートフォンやパソコン、そしてクラウドといったデジタルデバイスやサービスが溢れています。しかし、こうしたデジタル化の波は、私たち個人の生活だけでなく、社会全体、特に公共部門にも大きな影響を及ぼしています。そんな中、注目されているのが「デジタル・ガバメント」という概念ですが、具体的には何を指し、どのような目的で推進されているのでしょうか?
この記事では、デジタル・ガバメントとは何か、その目的や背後にある思想、それがもたらすであろう影響について詳しく説明し、その深層を理解する手助けをすることを目指します。
目次
デジタル・ガバメントの意味・概要とは
デジタル・ガバメントとは、ITを最大限に活用して市民サービスの向上や政策決定の効率化を図るとともに、行政の運営を透明で費用対効果の高いものにむけて革新する考え方です。単に「デジタル化した政府」という捉え方を超え、この考え方はデジタル化プロセスを通じた行政サービスの品質向上やコスト削減、行政の透明性強化も目指しています。
具体的には、ヘルスケアや教育・社会福祉・災害対策などのさまざまなセクターにおいて情報共有やサービス提供の方式を改革し、市民とのコミュニケーションの品質を高めることが狙いです。そして、データ分析により、より具体的かつ正確な政策を策定することが可能になります。また、デジタルベースの投票などを導入することにより、市民の更なる参政意識の高揚も見込まれます。
デジタル・ガバメントという考え方は、ITの利用により政府組織の動きを一新し、結果として社会全体をより良いものにし、スマート化することを目指しています。日本でもその遅れが問題視されているデジタル化やオンライン化の取り組みを後押しし、政府や行政機関の既存の縦割り構造の打破、デジタル人材の育成、そして利用者の視点を踏まえたサービス改善といった課題を解決を目指しています。
デジタル・ガバメントの目的とは
デジタル・ガバメントは、それが単に情報通信技術(ICT)を活用した政府の効率化を目指すだけではない、と理解されています。その大本命は、情報の公開による政府運営の透明化と公正化、そして公共サービスへのアクセスを容易化することにあります。
具体的には、一つ目の目標は、オンライン化により政府の運用が見える化されることで、その公平性と透明性が高まるでしょう。それにより、行政手続きの効率化やそれが可能となり、税金の無駄遣いを防ぐことも期待できます。
二つ目の目標は、国民の生活の利便性向上を追求することです。つまり、個々の情報を一括管理することにより、各種公共サービスの利用が一元化され、各種証明書の再発行や税金の納付手続きがよりシンプルに、そして迅速に行えるようになることを目指しています。
政府が目指すのは、デジタル化によって「すぐ使えて」「簡単で」「便利な」行政サービスを創造し、それによって全国民がSociety 5.0に相応しい行政サービスを享受できるようにすることです。”Society 5.0”とは、現実空間と仮想空間を高度に統合し、経済成長と社会課題解決を両立させた「人間中心の社会」を意味します。
このように、デジタル・ガバメントの推進なくしては、我が国が目指すSociety 5.0への到達は困難であると言えるでしょう。効率的な行政運営と市民生活の向上を目指すデジタル・ガバメントこそが、その鍵を握っているのです。
デジタル・ガバメントが求められている理由とは
日本政府がデジタル・ガバメントの実現に向けて急ピッチで動いている背景には、まず「効率性」への追求が存在します。他の先進国と比較した際に、日本の公共サービスのデジタル化の遅れは明らかで、その結果、時間とコストの無駄が生じ、国際競争力にまで影を落とす状況になっています。
特に日本が直面している少子高齢化や地方の過疎化の問題を考えると、人口が減少しても自治体が遂行する業務の量や範囲は一定であり、人手不足や財源の減少という問題が浮上します。このような状況をうまく処理するためには、業務の進め方をデジタル化によって劇的に効率化する必要があります。
さらに、新型コロナウイルスの世界的な大流行は、デジタル・ガバメントの重要性を一層強調しています。各国の政府が給付金の支給などの対策を講じましたが、日本ではデジタル化が進んでいないために、申請の混雑や給付の遅延、申請が郵送メインとなるなどの問題が見られました。これらの経験から、政府、自治体、そして国民はデジタル・ガバメントが社会を円滑に運営するうえでどれほど重要であるかを再認識する良い機会となったのです。
加えて、デジタル化を進めることで、「公平性」の向上も期待できます。
年齢や地域、障がいの有無など、さまざまな要因で物理的なサービスへのアクセスが難しい人々に対し、より平等な機会を提供することができるのです。
都市計画や予算配分などの重要な策定においても適切なデータ管理と解析が可能になり、より具体的で効果的な政策が打ち出せるとともに、全ての市民の利便性と公平性が保障されたデジタル・ガバメントは、今後の日本社会を支える重要な要素となるでしょう。
デジタル・ガバメント実行計画とは
デジタル・ガバメント実行計画とは、我々の生活をより快適で、さらには効率的にするために、政府が進めているデジタル化の取り組みです。
この革新的なプロジェクトは、行政サービスの電子化やネットを通じたサービスの供給、そして情報のスムーズな共有と適用を目的としています。
この実行計画の主な目的は、ICT(Information and Communication Technology)という情報通信技術を最大限に活用し、公共サービスの効率性と品質を向上させることです。
それは具体的には、マイナンバーカードを使った各種行政サービスの一元化と、手続きの単純化を通じて、市民やビジネスの利便性を大いに改善することです。
また、デジタル・ガバメント実行計画は、公の個人認証サービスやオンライン申請システムの拡大など、安全かつ信頼できるシステムの実現に向けた取組みを進めています。
さらにITを駆使して新しい価値創出と経済成長の推進を見越しています。
将来的には、公共サービスがICTを採用し、時間や場所に縛られない形で利用できるものになることが期待されています。
これにより、我々の生活は更に便利になり、また社会経済の発展に寄与することでしょう。デジタル・ガバメント実行計画というのは、そうした未来を現実にするための重要な指針となるのです。
サービスデザイン・業務改革(BPR)の徹底
「すぐ使えて」「簡単」かつ「便利」なものとすることを目指すサービスデザインと業務改革(BPR)に基づく計画です。
国・地方デジタル化指針
国・地方デジタル化指針に基づいて進行し、具体的には「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ報告」をもとに推進されています。
デジタル・ガバメント実行計画とは:デジタル・ガバメント実現のための基盤整備
デジタル・ガバメント実行計画は、デジタル・ガバメントの実現に向けて、政府全体で共通利用するシステム、基盤、機能(デジタルインフラ)の整備を行います。これに加え、クラウドサービスの利用検討や情報セキュリティの徹底、個人情報の保護、業務継続性の確保なども推進します。
一元的なプロジェクト管理の強化等
デジタル庁の設置に加え、予算要求前から執行までの各段階におけるすべての政府情報システムに対する一元的なプロジェクト管理の強化を目指しています。
行政手続のデジタル化・ワンストップサービス推進等
行政手続きのデジタル化を進め、オンラインでの手続きを促進します。これには添付書類の省略やワンストップサービスの推進、法人デジタルプラットフォームの機能拡充などが含まれています。
デジタルデバイド対策・広報などの実施
デジタルデバイド対策を進め、デジタル活用支援員の仕組みを本格的に導入します。また、SNSや動画などを活用した広報活動や国民参加型イベントなどを積極的に実施します。
地方公共団体におけるデジタル・ガバメントの推進
地方公共団体におけるデジタル・ガバメントの推進を促進します。これには、自治体の業務システムの標準化・共通化を迅速に進め、地方公共団体の行政手続きのオンライン化を推し進めることが含まれます。同時に、「自治体DX推進計画」に基づく自治体の取り組みを支援します。
デジタル・ガバメントの影響とは
デジタルガバメントの進展は、事業体の行政サービスがデジタル化へと移行することをもたらす変動を示しています。
具体的には、申請手続きや情報の提供・公共サービスの活用がオンラインで可能となり、これによって事業者の利便性は大幅に向上します。
従来の紙媒体を利用した手続きでは、交通費や時間等の不便さが生じていましたが、これらが削減できれば、経済的な負担も低減されるでしょう。
また、全体的なデータ管理や効率性の高いデータ分析が実現されることで、行政サービスの進化や改善、さらには新規の企画立案に役立てる展開が見込まれます。
同時に、個人情報などのデータ管理やセキュリティ対策の重要性が増したため、的確なシステムの構築と認識の浸透が求められます。
これらは、デジタル・ガバメントが齎す影響のいくらかに過ぎませんが、その影響力は計り知れません。デジタル化が広がる現在、デジタル・ガバメントの採用は、行政サービスをより効率的で使い易く、公平にするための重要な手段となるでしょう。
デジタル庁とは
デジタル庁はデジタル・ガバメント実行計画の主導組織であり、デジタル・ガバメントの推進における中心的な役割を果たしています。デジタル庁について簡単に紹介し、そのデジタル・ガバメント実行計画における担当する役割についても説明します。
デジタル庁の役割とは
デジタル庁は、日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための重要な役割を担っています。その主な業務は、国内で分散していた各種データの統一管理と活用、公的サービスのデジタル変革、ITスキルを持つ人材の拡充と活用の三つが挙げられます。
個別の省庁が所有する情報を一元化し、それを適切に管理・活用することで、より効果的な公共サービスの提供が可能になります。また、公共サービスをデジタル化し、それによって日本国民への利便性向上と公共事業の効率向上が見込まれます。
さらには、デジタル化の進行とともにますます重要となっているITスキルを持つ人材の確保と養成も、デジタル庁の重要な任務です。デジタル庁はこの任務を、国家戦略の一部として強力に推し進め、競争力のあるデジタル社会の形成を目指しています。
デジタル庁がこれらの役割を果たすことにより、日本のデジタル化による全社会の進化を大きく推進します。しかし、デジタル化がもたらす新たな課題、例えばプライバシー保護やセキュリティ対策といった問題にも対応する必要があります。このような課題への対応と共に、デジタル庁は新しい時代への日本の進展を支えるという重要な役割を担います。
デジタル庁がその全体像を形作るアクターとなるその存在は、特異なものであり、内閣により設置され、デジタル庁長官として平井卓也氏が任命されていますが、その地位は内閣総理大臣が最上位にあるという構図です。そのため、デジタル庁の存在と役割は一般的な中央省庁とは異なり、デジタル変革を統括・監督する機関として期待されています。
デジタル庁の今後とは
デジタル庁の未来について考察する上で、まず今のデジタル環境とそれが日本に与える影響を考え直す必要があります。行政のデジタル化は遅々として進んでいましたが、デジタル庁設立の新たな端緒が見えてきました。
デジタル庁の主要な目標は、行政サービスのデジタル化を実現することです。時間の経過とともに進化してきた技術を最大限に活用し、国民全体が手続きをスムーズに、そしてストレスフリーで行える社会を目指しています。これは、デジタル化が次第に進んでいく現代社会において不可欠な条件となります。
一方で、システムの一元化は個人情報の保護やセキュリティ上の問題という新たな課題をもたらします。これらの問題の解決は、デジタル庁が成功を収めるための重要な要素となるでしょう。また、誤った情報が広がることを防ぐためにも「デジタルリテラシー」の向上が必要となります。
デジタル化の進行は、我々の日常生活や社会全体に大きな影響を及ぼします。この新たな試み、つまりデジタル庁の存在が日本の未来を左右するでしょう。そのため、我々はデジタル庁の動向を続けて注視しなければなりません。2021年12月から2026年3月までの期間にかけて、デジタル庁は様々な施策を推進していくと予想されます。
デジタル・ガバメントの実践例とは
デジタル・ガバメントの実践例を確認しておきましょう。
大阪府豊中市
先進的な自治体として注目を集めているのが、大阪府豊中市です。2020年8月に「とよなかデジタル・ガバメント宣言」を発表した豊中市は、デジタルマイナンバーカードをはじめとするスマートフォンの利用を進め、身分証明や行政手続きの効率化、さらには住民と市役所間のコミュニケーションを以前に比べて格段にスムーズにしています。
さらに、人工知能を用いたチャットボットを導入することで、時間や日にちに関係なく住民に情報提供や問い合わせ対応を行うことが可能になりました。
特にコロナ禍においては、豊中市はNECから無償提供されたAIチャットボットを活用し、「豊中市新型コロナウイルスQ&A」を開設。これによって、住民は場所や時間を問わずさまざまな情報を取得できるようになりました。
デジタル化の波が押し寄せる現代社会において、ICTの活用は欠かせない存在となっています。
その中で豊中市のように、その手法を巧みに取り入れて行政サービスの見直しを図る地方自治体の存在は、デジタル・ガバメントの可能性を広く示すものと言えるでしょう。
広島県
広島県では、「デジタルトランスフォーメーション推進本部」を設置し、全面的なデジタル化への一斉対応を開始。AI(人工知能)を活用したチャットボットによる24時間対応の窓口サービスやオンライン手続きなどに対応した行政サービスの提供を実現しています。
さらに、広島県では地域企業や自治体と緊密な連携を図ることで、デジタル化を通じたスマートシティの実現に力を注いでいます。
デジタル化による恩恵を市民全員が享受し、よりよい生活を送る都市を目指しています。
こうした施策によって、広島県の行政サービスは飛躍的に進化。
手続きの効率化はもちろん、行政全体の効率向上にも成功しています。社会課題の解決や経済の成長、さらには次世代を担う人材育成にも繋がっています。
エストニア
エストニアは、デジタルガバメントをいち早く取り入れた国として世界にその名を知られています。
エストニアでは、全国民に電子IDカードを配布し、このカードによって銀行口座の開設や診療予約、学生の成績管理など、日常生活の各面におけるサービスがデジタル化され、24時間365日利用可能な状態になっています。すでに94%の人々が持つといわれるこのデジタルIDは、自宅をはじめ、世界中のどこからでもアクセス可能です。
さらに、政府はデジタル化の推進を積極的に行っており、税制度や事業設立に関わる各種申請書類などもすべてデジタル化され、手続きをスピーディーに行えるようになっています。
エストニアのデジタルガバメントは、社会の効率化を実現するだけでなく、政府の透明性を向上させており、その取り組みは他の国でも参考にされています。
デンマーク
デンマークはこのデジタル政府化の流れを早い段階から取り入れ、その一環として全国民に「CPR」と「NemID」、電子私書箱、公金口座などといったデジタルIDを一律に配布しました。
これらのIDを活用することで、市民は税金の納付から公共交通の利用、医療サービスまで、日々行うさまざまな公共サービスをデジタル上で一括して受け取ることができるようになっています。
また、デンマーク政府は政策情報の一元化やオープンデータ化を進めることで、政策の透明性を高めています。
これにより、市民は公共情報を自由に活用して独自のアプリケーションを開発でき、市民主導のデジタルガバメントを推進する土壌ができています。
さらにデンマークでは、AIなどの最新技術を活用する際に、心理学や文化人類学などの専門家をシステム設計の段階から協働させることで、市民が理解し納得して利用できるシステム構築に努めています。
サービスのデジタル化は利用者の利便性を増すだけでなく、市民と政府との関係改善にも繋がっていると言えるでしょう。
デジタル・ガバメント化の経緯・見通しとは
デジタル・ガバメント化の経緯や見通しについてご紹介していきます。
通信ネットワークの整備・IT基本法
2000年に成立した高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)は、インターネットの普及に伴い、政府が行政や社会の「IT化」を進めるための方針を確立した出発点です。
この法律の内容は、国際競争の激化を見据え、ITを基盤としたインフラ整備やIT活用を推進するものでした。
人材育成、電子商取引の促進、行政の情報化など、デジタル改革関連法と同様の基本方針が盛り込まれています。実際、デジタル改革関連法は、IT基本法を発展解消させる形で制定されました。
IT基本法のもと、2001年には「e-Japan戦略」と呼ばれるIT戦略が開始され、国際競争を強く意識したIT基盤整備が進展しました。
データ利活用の進展・官民データ基本法
近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)の波は国家の運営にも変革をもたらしており、特に日本政府のデジタル・ガバメント化の取り組みには目を見張るものがあります。
この動きが本格化したのは、2014年にICT戦略本部が設立されてからで、その後、デジタル化のスピードに合わせた政策およびプランが逐次立案されて来ました。
特筆すべきは、2020年の「官民データ基本法」の施行により、公共領域とプライベート領域のデータ利用が可能となったことです。
この動きは今後も続き、官民間のデータ連携を強化し、新たな価値を生み出すべく「デジタルアーカイブ戦略2025」等の政策を実行に移していくと予想されます。
コロナ禍・行政DXの必要性
新たな時代の到来とともに、ITとデータの重要性が顕著に高まる中、日本政府は「デジタル・ガバメント化」を進展させるためのフレームワークを策定しています。
この新たな施策は、行政サービスの効率と利便性の強化により、ICTの利用拡大を狙いとしています。新型コロナウイルスの大きな影響を受け、その一方で行政プロセスのデジタル化が進みつつあります。
初めての試みとしては、東日本大震災から得た教訓がきっかけとなり、国民一人ひとりの情報を一元管理するマイナンバーシステムが2015年に導入されました。こうしたステップにより、デジタル化の道筋が広がり、政府は2023年度までにすべての手続きのオンライン化を目指しています。
しかし新型コロナウイルスの影響は想定外で、行政の遠隔化とリモート対応が急速な注目を集めています。これは手続きのオンライン化だけでなく、テレワークやオンライン診断など新たな生活様式への適応を含んでいます。
そして、デジタル庁の設立は、全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の中心となる一大転換点です。デジタル庁が2021年9月に始動したことで、デジタル技術を活用した新制度設計と、全国民が利用可能な環境整備に力を注いでいます。
紙やFAXを用いた古い形式に頼らず、基本的な業務改革を通じて「デジタル・ガバメント化」を達成することを目指しているのです。行政のデジタル化は、公共サービスの向上を追求する基本的な趣旨を忘れてはならない事項です。
まとめ
デジタル・ガバメントは政府のデジタル化を推進し、公共サービスを効率的、透明性高く提供することを目指す概念です。
この取り組みは、市民と政府との距離を縮め、情報の公開と共有を通じて社会全体の信頼を増強することができます。最終的には、デジタル・ガバメントは、公共サービスの全体的な改善と、持続可能で包摂的な社会実現へと繋がるカギとなるでしょう。
よくある質問
デジタル・ガバメントの概要は?
デジタル・ガバメントは、情報通信技術(IT)を行政の各分野に積極的に活用し、市民や企業の事務負担を軽減し、利便性を向上させ、行政事務を簡素化・合理化して、効率的かつ効果的な電子政府・電子自治体を実現する取り組みです。
デジタル・ガバメント計画とは何ですか?
デジタル・ガバメント計画は、デジタルの技術を駆使して国の行政機関と企業などの民間機関が協力し、行政サービスの事務的負担を軽減し、利便性を向上させるため、現行の行政の在り方を変革する取り組みを指します。
デジタル・ガバメントのメリットは?
デジタル・ガバメントの主要な利点は、公共サービスの提供を効率的に行い、市民の利便性を向上させることです。
これは、手続きの電子化や自動化による簡素化、持続可能な電子文書管理、データの効果的な活用などによって達成されます。
同時に、市民や事業者との円滑なコミュニケーションの向上も、重要な目的となります。
デジタル化とはどういうことか?
デジタル化とは、デジタル技術を活用して新しいビジネスモデルの構築や業務の効率向上を図るプロセスを指します。
例えば、従来の紙を用いた業務をワークフローシステムで代替したり、文書を電子化してペーパーレス環境を整備したりするなどの取り組みがこれに当たります。
デジタル化は、日本社会において急速に進展しています。
DX推進とは何ですか?
DX推進とは、組織内でデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進する取り組みのことです。具体的には、「最新のIT技術を活用し、組織の在り方や業務への取り組み方を新しく変革・改善していく試みのこと」を指します。
デジタル化の具体例は?
デジタル化の実例としては、以下のような取り組みがあります。
- 紙の帳票類をペーパーレス化により廃止する
- 印鑑による署名押印を電子署名に切り替える
- 紙媒体の社内報やマニュアルなどをクラウド上で共有する
- リモートワークにWebビデオ会議システムを活用する
デジタル化とDX化の違いは何ですか?
デジタルトランスフォーメーションとデジタル化の違いは、デジタル化は技術を導入することで容易に達成できる一方、DX(デジタルトランスフォーメーション)はデジタル技術を導入し、その特性を生かして継続的かつ収益に結びつく形での変革を目指すプロセスです。
要するに、デジタル化はあくまでスタート地点であり、DXはその先にあるゴールを追求する取り組みです。
デジタルトランスフォーメーションの提唱者は誰ですか?
デジタルトランスフォーメーションの提唱者は、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって行われました。
教授はこの概念を「ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」と定義しています。