一般に、フォトレジストやSOG(SpinonGlass)などの無機系薄膜を用いて作られたエッチングマスクを、多層レジストとしています。その際、フォトレジストで作り出したパターンは順次、下位の膜へと伝えられ、最終的には被加工膜が加工の対象となります。しかしながら、加工寸法の微細化に伴い、フォトレジストが薄膜化されることで、エッチングへの耐久性が失われたり、露光時に発生する酸の拡散により、レジストの解像度が低下する問題も発生します(LER:LineEdgeRoughness)。
これらの問題は、レジスト膜を多層化することで解消することができます。具体的には、微細なパターン形成を可能にする薄い上層部と、エッチングの耐性や反射特性、形状をコントロール可能とする厚い下層部の組み合わせによって実現します。