企業の経営と投資に対する気候変動のリスクは、ハリケーンや豪雨、土砂災害、水不足、海面上昇など物理的な影響が大きい。これら物理的リスクは、「急性リスク」と「慢性リスク」の2つに大別できる。急性リスクは、突発的な気象災害が増えることで引き起こされる被害事例であり、干ばつによる農作物の減産や、洪水によるサプライチェーンの設備や工場の水害などがその典型だ。一方、慢性リスクとは、長期間にわたる異常気象が引き起こす被害を指し、気温上昇により常習的な農作物の不作や、海面上昇による沿岸設備や工場の浸水問題などが該当する。’