「ホットエレクトロン」とは、半導体を通じて大きなエネルギーを獲得した電子や正孔を指します。このエネルギーを持つキャリアがゲート酸化膜へ突入することで、しきい電圧の変動といった特性の不安定化を引き起こします。これはチャネルの長さが短くなるとより顕著な傾向が見られます。段階的に電源電圧を下げることで一定の改善が見られますが、その代償として動作速度が遅くなります。これを解決するアプローチとして、ソースやドレイン、またはチャネル領域の不純物濃度のプロファイルを適切に調整し、ホットキャリアの出現を制限する方法が検討されています。その具体例としてLDD(LightlyDopedDrain:MOSトランジスタのソース/ドレイン構造の一つ)があります。