メチル水銀というのは、水銀がメチル化されることで生まれる有機水銀化合物の一種です。その毒性は主に中枢神経系に影響を及ぼすもので、特に胎児は母体の胎盤や血液-脳関門を通過する特性から、最も影響を受けやすいとされています。食品安全委員会では、魚介類などに含まれるメチル水銀の危険度を評価しており、妊婦や懐妊の可能性がある女性に対しては、メチル水銀の週間許容摂取量が水銀として体重1kgあたり2.0μgと定められています。この値は、胎児が属する高リスクグループを対象としたものなのです。