我々や動物の消化管に居住する腸内細菌の中には、病原性を示すものが存在します。中でもサルモネラ・エンテリティディス(S.Enteritidis)やサルモネラ・ティフィムリウム(S.Typhimurium)、いわゆるネズミチフス菌は、広く知られています。これらの名称は、それぞれの抗原性の差を示す血清型の名称として使用されています。また、チフスやパラチフスの原因となる菌もサルモネラ属に属しますが、食中毒を引き起こす菌とは異なります。そして、特に日本ではサルモネラ属菌による食中毒が多く発生しているという事実があります。