EDRにおけるSOCに強いIT企業5選:選定基準・コスト・実績を徹底比較2025年4月28日セキュリティー EDRソリューション SOCサービス セキュリティ対策 近年、標的型攻撃やランサムウェアなど、サイバー攻撃の手法は高度化・巧妙化の一途を辿っています。特にテレワークの普及により、エンドポイントセキュリティの重要性が増す中、EDR(Endpoint Detection and Response)とSOCの連携が企業のセキュリティ対策の要となっています。本記事では、EDRにおけるSOCサービスに強みを持つIT企業5社を、専門家の視点で徹底比較・解説します。目次1. EDRとSOCの基礎知識2. EDRにおけるSOCに強いIT企業5社の比較3. EDRにおけるSOCサービスの評価ポイント4. SOCに強いIT企業の選定基準5. EDR対応SOCサービス導入のポイント6. 今後のトレンドと展望よくある質問と回答1. EDRとSOCの基礎知識サイバー攻撃の脅威が日々進化する中、企業のセキュリティ対策において、EDR(Endpoint Detection and Response)とSOCの重要性が高まっています。特に昨今のテレワークの普及により、エンドポイントセキュリティの強化は企業の重要課題となっています。1.1. EDRの概要と主要機能EDR(Endpoint Detection and Response)は、PCやスマートフォンなどのエンドポイントにおけるセキュリティ対策製品です。従来のアンチウイルスソフトとは異なり、未知のマルウェアや標的型攻撃による不審な挙動を検知し、迅速な対応を可能にする先進的なソリューションです。EDRの主要な機能として、以下が挙げられます。・リアルタイムな脅威検知と監視・不審な挙動の分析と可視化・インシデント発生時の自動対応・詳細なログ収集と分析1.2. SOCの役割と重要性SOC(Security Operation Center)は、組織のセキュリティインシデントに対応する専門家チームです。EDRによって検知された脅威に対して、24時間365日体制で監視・分析・対応を行い、組織のセキュリティを確保する重要な役割を担っています。SOCの主な責務には以下があります。・セキュリティアラートの分析と対応・インシデント発生時の初動対応・セキュリティポリシーの策定と運用・脅威インテリジェンスの収集と活用1.3. EDRとSOCの連携による効果EDRとSOCを連携させることで、より強固なセキュリティ体制を構築することができます。EDRが検知した不審な挙動やマルウェアの痕跡を、SOCの専門家が詳細に分析することで、より正確な脅威の特定と適切な対応が可能となります。1.4. 従来型セキュリティ製品との違い従来型のセキュリティ製品(EPPやNGAV)と比較して、EDRには以下のような特徴があります。・既知の脅威だけでなく、未知の脅威も検知可能・詳細な挙動分析による高度な検知能力・インシデント発生後の調査機能の充実・SOCとの連携による専門的な分析と対応2. EDRにおけるSOCに強いIT企業5社の比較NRIセキュアテクノロジーズ株式会社NRIセキュアテクノロジーズは、野村総合研究所(NRI)のグループ企業として、企業向けサイバーセキュリティ対策に特化したサービスを提供しています。EDR(Endpoint Detection and Response)領域では、24時間365日体制のSOC(Security Operation Center)監視サービスを強みとし、高度な脅威検知・対応能力で知られています。独自の脅威インテリジェンスと熟練アナリストによる迅速な対応が特徴で、マネージドセキュリティサービス(MSS)を通じて顧客のセキュリティ運用負荷軽減と高度なセキュリティ体制構築を支援しています。会社名NRIセキュアテクノロジーズ株式会社本社所在地東京都千代田区大手町1-7-2 東京サンケイビル会社HPhttps://www.nri-secure.co.jp/エヌ・ティ・ティ・セキュリティ株式会社NTTセキュリティは、NTTグループのセキュリティ専門企業として、総合的なサイバーセキュリティサービスを提供しています。EDR領域においては、24時間365日体制のSOCによる高度な監視・分析能力と、グローバルな脅威インテリジェンスを活用した迅速な対応が強みです。特に大規模企業向けの高度なEDRソリューションでは、AI技術を駆使した異常検知と、熟練アナリストによる精緻な分析を組み合わせたハイブリッドアプローチを採用。国内最大級のインシデント対応実績と、NTTグループの通信インフラ知見を生かした高品質なセキュリティ運用サービスを展開しています。会社名エヌ・ティ・ティ・セキュリティ株式会社本社所在地東京都千代田区大手町2-3-1 大手町プレイスイーストタワー14階会社HPhttps://www.nttsecurity.com/ja-jp/株式会社ラック(LAC Co., Ltd.)株式会社ラック(LAC)は、日本屈指のサイバーセキュリティ専業企業として、EDR関連のSOCサービスに強みを持っています。24時間365日のセキュリティ監視・分析・対応を提供するSOCサービス「JSOC」を中核に、豊富な脅威インテリジェンスと高度な分析力でEDRソリューションを最大限に活用。独自の脅威検知ロジックと熟練アナリストによる精度の高い分析で、エンドポイントの脅威を迅速に特定し、インシデント対応から復旧までをワンストップでサポートしています。クラウドやオンプレミス環境に対応したEDR運用体制と豊富な導入実績が強みです。会社名株式会社ラック(LAC Co., Ltd.)本社所在地東京都千代田区平河町2-16-1 平河町森タワー会社HPhttps://www.lac.co.jp/株式会社日立ソリューションズ日立ソリューションズは、セキュリティ対策の包括的なサービスを提供するIT企業として知られています。EDR(Endpoint Detection and Response)とSOC(Security Operation Center)の分野では、「セキュリティリスク可視化サービス」や「マネージドセキュリティサービス」を展開し、24時間365日の監視体制で迅速な脅威検知・対応を実現しています。豊富な経験と高度な技術力を持つアナリストチームによる的確な対応と、AIを活用した高精度な検知能力が強みです。また大企業から中小企業まで幅広い規模の組織に対応可能なスケーラブルなソリューションを提供しています。会社名株式会社日立ソリューションズ本社所在地東京都品川区東品川4-12-7会社HPhttps://www.hitachi-solutions.co.jp/富士通株式会社富士通株式会社は、EDRを含む包括的なセキュリティソリューションを提供するITリーダーです。SOC運用において、独自の「富士通セキュリティソリューション」を展開し、AIを活用した高度な脅威検知とリアルタイム対応を実現しています。国内最大級のセキュリティ人材と24時間365日の監視体制で、企業のデジタル資産を守る高品質なSOCサービスが特徴です。長年の実績とグローバルな知見を活かし、業種別の脅威情報に基づいたEDR運用とインシデント対応を提供し、多くの企業から信頼を獲得しています。会社名富士通株式会社本社所在地東京都港区東新橋1-5-2会社HPhttps://www.fujitsu.com/jp/3. EDRにおけるSOCサービスの評価ポイント3.1. 24時365日の監視体制効果的なSOCサービスには、24時間365日の継続的な監視体制が不可欠です。サイバー攻撃は時間を選ばず発生するため、常時監視による迅速な対応が求められます。3.2. インシデント対応の迅速性セキュリティインシデントが発生した際の対応スピードは、被害の拡大を防ぐ上で極めて重要です。EDRによる自動検知と、SOCによる迅速な分析・対応の連携が、効果的なインシデント対応を実現します。3.3. 脅威検知・分析能力高度化するサイバー攻撃に対応するためには、EDRの優れた検知能力とSOCの専門的な分析力が必要です。特に以下の点が重要となります。・マルウェアの挙動分析・脅威インテリジェンスの活用・AIによる異常検知・詳細なフォレンジック分析3.4. レポーティング機能セキュリティ対策の効果を可視化し、経営層への報告や改善提案を行うためには、充実したレポーティング機能が重要です。検知した脅威の傾向分析や対応状況の報告など、組織のセキュリティ状況を把握できる詳細なレポートの提供が必要です。3.5. 導入・運用サポート体制EDRの導入から運用まで、一貫したサポート体制の確保が重要です。特に以下の点に注目が必要です。・初期設定と環境構築のサポート・運用担当者向けの教育・研修・技術的な問い合わせ対応・定期的な運用状況の確認と改善提案4. SOCに強いIT企業の選定基準EDRとSOCの連携において、適切なIT企業を選定することは、組織のセキュリティ対策の成否を左右する重要な要素となります。ここでは、SOCに強いIT企業を選定する際の具体的な基準について解説します。4.1. 技術力と実績SOCサービスを提供するIT企業の技術力は、以下の観点から評価することが重要です。・EDRソリューションの開発・運用実績・セキュリティインシデントへの対応実績・最新の脅威に対する研究開発体制・グローバルレベルでの技術認証取得状況4.2. セキュリティ専門家チームの体制SOCの品質を決定づける重要な要素として、セキュリティ専門家チームの体制があります。優れたSOCサービスを提供する企業では、以下のような人材体制を整えています。・セキュリティアナリストの人数と質・24時間365日対応可能な運用体制・専門資格保有者の在籍状況・継続的な技術研修プログラムの実施4.3. マルウェア対策の充実度日々進化するマルウェアの脅威に対して、効果的な対策を提供できることが重要です。特に注目すべき点として以下が挙げられます。・未知のマルウェアの検知能力・ランサムウェア対策の実績・標的型攻撃への対応力・脅威インテリジェンスの活用状況4.4. コスト・料金体系導入・運用コストは企業選定における重要な判断材料です。以下の要素を考慮した総合的なコスト評価が必要です。・初期導入費用・月額運用費用・スケールアップ時の追加コスト・サポート費用の透明性4.5. サポート品質緊急時の対応を含め、充実したサポート体制を持つことが重要です。評価すべきポイントとして以下があります。・インシデント発生時の対応手順・技術的な問い合わせ対応の品質・定期的なレポーティングの内容・改善提案の実施状況5. EDR対応SOCサービス導入のポイントEDR対応SOCサービスの導入は、組織のセキュリティ体制を強化する重要な施策です。ここでは、効果的な導入を実現するための具体的なポイントについて解説します。5.1. 組織規模に応じた選択組織の規模や特性に応じて、適切なEDRソリューションとSOCサービスを選択することが重要です。具体的な検討ポイントとして以下があります。・エンドポイントの総数と種類・社内ネットワークの構成・セキュリティ担当者の体制・予算規模と投資対効果5.2. 既存システムとの連携既存のセキュリティ製品やシステムとの連携性を確保することで、より効果的なセキュリティ対策が実現できます。以下の点に注意が必要です。・ファイアウォールとの連携・アンチウイルスソフトとの共存・ログ管理システムとの統合・社内ネットワークへの影響評価5.3. 社内ネットワークへの影響EDRの導入による社内ネットワークへの影響を事前に評価し、必要な対策を講じることが重要です。特に以下の点について検討が必要です。・ネットワーク帯域への影響・サーバーリソースの使用状況・エンドポイントの性能への影響・テレワーク環境での動作確認5.4. 運用担当者の教育・研修EDRとSOCサービスを効果的に活用するためには、運用担当者の適切な教育・研修が不可欠です。以下のような教育プログラムの実施が推奨されます。・基本的な操作方法の習得・インシデント対応手順の理解・脅威分析スキルの向上・最新のセキュリティ動向の把握5.5. コスト最適化の方法導入・運用コストを最適化するため、以下の観点からの検討が必要です。・ライセンス体系の選択・運用体制の効率化・段階的な導入計画・定期的なコスト見直しこの記事を読んだ人へのおすすめ記事 「基幹システム刷新事例のご紹介」 「年功序列と風通しの課題を超えて:食品原料メーカーにおける組織改革成功事例」 「建設業DXの鍵:PLM導入で部材積算と連携を効率化」 「財団の助成システム構築でガバナンスを強化:短期間で実現したシステム開発の成功事例」 6. 今後のトレンドと展望6.1. XDRへの発展EDRの次世代ソリューションとして注目されているXDR(Extended Detection and Response)は、より包括的なセキュリティ対策を実現します。以下のような特徴があります。・複数のセキュリティ製品の統合・クラウドサービスとの連携強化・より高度な自動化と分析機能・組織全体の可視性向上6.2. クラウドセキュリティとの統合クラウドサービスの普及に伴い、EDRとクラウドセキュリティの統合が進んでいます。以下のような展開が予想されます。・クラウドワークロードの保護・マルチクラウド環境への対応・コンテナセキュリティの強化・ゼロトラストアーキテクチャとの融合6.3. AI・機械学習の活用AI・機械学習技術の進化により、より高度な脅威検知と自動対応が可能になります。具体的には以下のような発展が期待されています。・リアルタイムな脅威予測・行動分析の精度向上・自動修復機能の強化・インシデント対応の自動化6.4. ゼロトラストセキュリティとの連携ゼロトラストセキュリティの考え方が普及する中、EDRとSOCもその文脈での進化が求められています。以下のような方向性が見込まれます。・常時検証の実装・アイデンティティベースの保護・マイクロセグメンテーションの活用・動的なアクセス制御の実現これらのトレンドは、今後のセキュリティ対策の方向性を示すものであり、組織のセキュリティ戦略を検討する上で重要な指針となります。EDRとSOCの選定・導入を検討する際には、これらの将来的な発展も視野に入れた判断が求められます。よくある質問と回答EDRとSOCの違いは何ですか?EDR(Endpoint Detection and Response)は、エンドポイントでの脅威検知と対応を行うセキュリティ製品です。一方、SOC(Security Operation Center)は、セキュリティ監視・分析・対応を行う組織的な体制を指します。EDRはツールであり、SOCはそれを運用する人的リソースと体制という違いがあります。EDR対応SOCサービスの月額費用はどのくらいですか?一般的な月額費用は、エンドポイント数や必要なサービスレベルによって大きく異なります。中小企業向けの基本的なサービスでは1エンドポイントあたり3,000円~5,000円程度、大企業向けの高度なサービスでは1エンドポイントあたり10,000円以上となることもあります。具体的な費用は、導入規模や要件に応じて個別に見積もりが必要です。SOCサービスの導入にはどのくらいの期間が必要ですか?標準的な導入期間は2~3ヶ月程度です。ただし、組織の規模や既存システムとの連携要件、カスタマイズの必要性によって変動します。簡易的な導入であれば1ヶ月程度で開始できる場合もありますが、大規模な導入の場合は6ヶ月以上かかることもあります。EDRの誤検知への対応はどうなっていますか?SOCの専門家チームが、EDRによる検知結果を人的判断で精査し、誤検知を適切に判別します。また、機械学習による検知精度の向上や、ホワイトリスト登録による誤検知の低減なども行われています。継続的なチューニングにより、誤検知率は徐々に低下していきます。テレワーク環境でもEDR・SOCサービスは有効ですか?はい、むしろテレワーク環境では特に重要です。社外からのアクセスが増えることで、エンドポイントでのセキュリティ対策の重要性が高まります。クラウドベースのEDR・SOCサービスであれば、場所を問わず一貫したセキュリティ監視と対応が可能です。