事例詳細

Asian man inspecting restaurant equipment テクノロジー

2024年11月29日

コスト削減と効率化を両立するトレーサビリティ管理の実例

ニッコウプロセス株式会社

事例No

5788

クライアント企業概要

業種
輸送用機器
売上規模
100-1000億円
従業員規模
100-500人

プロジェクト情報

概算費用
1000-3000万円
概算工期

事例サマリー

本記事では、輸送用機器業界の中堅企業A社が、紙ベースの管理から脱却し、QRコードを活用したトレーサビリティシステムを導入することで、業務効率化とコスト削減を同時に実現した事例を紹介しています。A社は、製造過程での不良品や部品の追跡が求められる中、従来の紙ベースの管理では迅速な対応が難しく、生産性の低下が課題となっていました。そこで、Androidタブレットを活用したバーコードおよびQRコードの読み取りシステムを導入し、データの一元管理と業務プロセスの最適化を図りました。これにより、不良品発生時の迅速なロットトレースが可能となり、手作業によるミスの減少や作業効率の大幅な向上を実現しました。さらに、外注先からの作業実績データもExcel形式で取り込む機能を提供し、データの統合を効率化しました。これらの取り組みにより、A社は取引先メーカーからの信頼を獲得し、新たなビジネスチャンスの創出にも成功しています。

プロジェクト概要

クライアント企業の課題

クライアント企業(以下、A社)は、輸送機器のサプライチェーンの一部を担う協力工場として、取引先メーカーからの要求に対応する必要があった。特にロットトレースの仕組みについては、製造過程で発生する不良品や部品の追跡が求められていたが、現場では紙ベースの管理に頼っており、製品それぞれの成形に関わるトレーサビリティ情報をまとめて確認できず不良化が起きた際の対処が遅れてしまっていた。また、管理に多大な工数がかかることで、生産性の低下も顕著だった。このような状況を解決するため、A社はトレーサビリティの強化を進める必要があった。

ソリューション概要

本プロジェクトでは、トレサビ管理システム「TPS」をベースにソリューションを構築した。TPSは、現場の運用を考慮した柔軟なシステムで、特に以下の特徴がある。

ハードウェア構成:Androidタブレットを採用し、バーコードおよびQRコードの読み取りを迅速に行う仕組みを導入。内蔵カメラによる高い読み取り速度を活用し、操作性を向上させた。

データ処理:タブレット端末での基本作業に加え、PCにQRリーダーを接続することでタブレットと同様の作業が可能。これにより、煩雑な処理はPCで効率的に行う運用フローを実現した。

十分なトレーサビリティ機能:いつ誰が何の作業したのかがロット番号と共に記録され、トレース機能で該当ロットを検索可能とする機能を提供した。

外注先データの連携:外注先からの作業実績データもExcel形式で取り込む機能を提供し、データの統合を効率化した。

機器選定:当初はCASIO製端末を使用していたが、CASIOの市場撤退後は別メーカーの端末を採用。キーエンス製はコスト面での理由から採用せず、低価格で性能が十分な機器を選定した。

これらの構成要素が組み合わさり、A社の課題解決に適したトレーサビリティシステムが完成した。

アピールポイント・成果

アピールポイント

Androidタブレットの活用:軽量で持ち運びやすいタブレット端末を選定し、現場作業の効率を向上。従来のハンディーターミナルと比べ、操作性が向上した。

既存運用の簡素化:紙ベースの管理方法をそのままデジタル化し、現場の混乱を最小限に抑えた。

教育コストの削減:操作が直感的で簡単なシステム設計とすることで、従業員への教育負担を削減。

低コスト運用の実現:高価な機器を避け、コストパフォーマンスの高いハードウェアを選定した。

プロジェクトの成果

トレーサビリティの向上:QRコードを活用したことで、不良品が発生した際のロットトレースが迅速かつ正確に行えるようになった。 業務効率の改善:紙ベースからデジタル管理へ移行することで、手作業によるミスが減少し、作業効率が大幅に向上した。原材料の受入から製品出荷まで、タブレットで一括管理でき、棚卸しの入力工数が大幅に削減。 顧客満足度の向上:トレース体制が強化されたことで、取引先メーカーの信頼を獲得。これにより、新たなビジネスチャンスの獲得にもつながった。

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2024年11月29日

ニッコウプロセス株式会社

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