“メンバーシップ型雇用”とは、新卒一括採用、年功序列や終身雇用といった概念が基盤となる、日本独自のエンプロイメントスタイルを指すものです。
この雇用形態では、まだスキルを持っていない新卒者を採用し、OJT(On the job training)などのインテンシブな教育によって業務に必要なスキルを身につけさせ、年数が経つにつれて報酬や職位を昇格させる流れが確立されています。そして、退職までの期間、しっかりとした雇用を保証します。
その一方で、部署の移動や配置転換、異動の可能性もあるという点は留意する必要があります。しかし、安定した雇用が保証されていることから、社員の総体的な帰属意識は強く、この雇用形態は日本の高度経済成長期における労働力の安定源となりうまく機能しました。
しかし、現在、IT技術の急速な進歩やグローバル化、そして職業人口の移動性の増加といった変化するビジネス環境の中で、日本国内における雇用のスタイルは大きな見直しを迫られています。