「スピントンネル磁気抵抗」という現象について説明します。強磁性を持つ物体の両端に薄い絶縁層を介して電圧を加えると、トンネル効果という現象が働き、絶縁層を電子が通過できるようになります。この状態で外部磁界を変化させると、電気抵抗が急激に変動します。この現象をスピントンネル磁気抵抗効果(SpinTunnelingMagnetoresistiveEffect)と言います。
現在使われているGMR素子に対して、この効果を利用すると抵抗の変化率(MR比)が大幅に高まります。これにより、今後はHDDヘッドだけでなく、磁気不揮発性メモリ(MRAM)やスピンエレクトロニクス素子の開発にも応用できる可能性が期待されています。