ユーザーの視線を重視し、問題の原因を見つけ出し、それを解消するための新たなアイデアを生み出す考え方としてデザイン思考があります。これは、デザイン創作の段階でデザイナーが利用する手法をビジネスの現場へと応用したもので、新規事業の構想や評価に使われています。以前は、企業の強味やその持つリソースを起点にして事業アイデアが考えられていました。しかし、不確実性の高い現代社会ではユーザーの真の問題点を迅速かつ──しかも適切に──掴むのが困難になってきました。その結果、ユーザーの経験や意見を起点に問題を見つけ出すデザイン思考への関心が日増しに高まっています。