ウランという名の元素は、原子番号92を持つアクチノイド元素の一つ。素顔はウラン238、235、234と三種類存在し、いずれもα線、β線、γ線を発散する能力がある。その物理学的半減期は約25万年から約45億年に及ぼうとする驚異的な長さだ。口から摂取すると、ウランのほとんどは数日で体外に排出。しかし、その一部(0.2〜5%)は血液に入る。そのうち骨が約22%、腎臓が約12%を吸収し、残りの約12%は体内全体に分散して排泄される。腎臓に到達したウランの大部分は数日のうちに尿となって排出される一方、骨に蓄積したウランは長期間にわたり体内に留まる。その影響力では、放射性物質としてよりも化学物質として働くウランの腎毒性が深刻だ。