「BSE」とは、牛の一種の疾患であり、感染した牛の脳には「異常プリオンタンパク質」という病原体が主に集積します。こうした過程から、神経細胞は壊死し、脳の組織はスポンジのように変貌を遂げます。結果的に、感染牛は異常行動や運動障害などの中枢神経症状を示し、最終的には生命を失います。
BSEが急速に広まった原因とされているのは、感染牛を原料にした肉骨粉が牛のエサとして使用されていたからです。特に英国では、高度に汚染された肉骨粉から生じたBSE感染牛が多数確認されたことで問題となりました。その際、感染から発症するまでの平均的な潜伏期間は約5年から5.5年と推定されています。
しかしながら、現在では汚染防止のための対策が進化し、感染症の発生は激減しています。また、感染から発症するまでの潜伏期間も長期化していると報告されています。