「先行オーガナイザー」とは、その名の通り、学ぶべき課題の枠組みを前もって提示し、理解を助けるツールを指します。例えば、読むべき本の内容を把握するためにまず目次を見る行為では、一見難解の内容でも内容の要点を掴みやすくなります。こういった案内役のような存在が先行オーガナイザーなのです。
この先行オーガナイザーの概念は、心理学者D・オーズベルによって提唱されました。彼の理論によれば、新しい学習内容の要点を先に提示しておくことで、既知の知識と対象の学習内容を結びつけて理解することが可能となり、それにより学習内容が”意味あるもの”として脳に記憶されやすくなるのです。これを「有意味受容学習」とオーズベルは命名し、有効な学習法として説いています。